寅午

初めて行く場所に行った帰り道のこと。Iちゃんと二人、周りをみながら
「この角は…違うよね?」「あ、向こうの歩道橋、あの下通ったよね」と
あやふやな記憶をお互い確かめつつ帰途を辿っていた。その次の
大きな道との角でまた覗き込んで、「うん、確かここを曲がってきた」と
曲がった。
雨上がりらしい舗装されていない道路は、うっすらと湿っていた。
何かが動いた気配に足元を見て、私はそのまま固まってしまった。
梅雨時の風物詩、体長約4cmのアマガエル(成体)が、爪先の先の
あたりを跳びはね動いていたのだ。
「ひいぃぃぃぃぃ〜〜〜〜」
(嗚呼何故こんな時くらい「きゃっ☆」みたいな可愛い悲鳴が上げれない
のだろう…(苦笑))
よく見れば、動いているのは成体だけではない。1cmにも満たない“オタマ
ジャクシからカエルになったばかりなんです”というサイズのものが足の
踏み場に困るほどうじゃうじゃといる。しかも緑色ならまだいいが、土色
(というか肌色)なのである。それらが重なり合って団子状になっている。
……怖い。
予想不可能な行動をするカエルは、私が金をいくら積まれても触りたく
ないイキモノなのである。
も、ダメだ。
 
 
 
気合い入れて、起きました。こんな夢見てまで寝直ししてたくないもん…。
(最近暑いから、朝6時半過ぎに目が覚めちゃうんだよね…)
大学2年生の時に似たような体験をしたのがトラウマになってるんだよ…。
あの時は黒いミニカエルで、バイトに遅れるからって自分を励まして、目を
つぶって「ひょえぇぇ〜(泣)」って半泣きで走り抜けたんだよね…。
カエルもね〜、絶対に自分のトコに来ないと分かってる場合は平気なん
だけどね(飼育ケースの中とか)。とにかく野放しに生きてる状態がダメ。
だから礫死体とか圧死体とかは平気なんだけどな。私、人が触るのを
嫌がるようなイキモノは大抵触れるんだけど、この両生類だけはダメだわ〜。