執事歌劇団『Claret〜薔薇になった吸血鬼のお話〜』観劇

すっごい久しぶりに執事歌劇団の舞台を観に行きました。
『Claret〜薔薇になった吸血鬼のお話〜』です。
吸血鬼ネタ!
素材がオイシイだけに調理を間違うとガッカリ度もそれなりに、というアレですが。

予想外に面白かったです。

数十年以上の昔。お嬢様の愛でる薔薇を育てる庭師が同僚の謀略で吸血鬼と化し、身分違いと自分を蔑むかの謀略家に退治(=薔薇に封印)された。自由になれるのはハロウィンの一日だけ、しかも封印されている薔薇に触れた相手に乗り移るという形でだけ。
時が流れて現在。ハロウィンの日に休暇を与えられた使用人たちは、ハロウィンパーティーへと出かける大旦那様とお嬢様を見送り、無礼講パーティーの準備を始める。その折りに、件の「吸血鬼が封印された」薔薇に、そうとは知らずに触れた執事が吸血鬼に体を乗っ取られてしまう。
時の流れに曖昧になっていた記憶が鮮明になるにつれ謀略家への恨みが募る吸血鬼。いつもとは様子のまるで違う執事への疑惑と度重なる奇行から導かれている騒乱に、お屋敷を守るべく立ち向かう使用人たち。午前0時を告げる時計の音とともに吸血鬼の魂は再び薔薇に封じられ、お屋敷はいつもの日々を取り戻した。
完。
という内容で(あらすじこんなに真面目に書くのか…)、執事を乗っ取った元庭師のことが現在の時間軸に時々差し込まれて徐々に明かされるという展開で、過去話は上段セットで展開/現在話はおおむね下段セットで展開、と視点の高低差も付けていて分かりやすくしてある、んですが…
(そーいうところが「ちゃんと舞台になっている」と評価した部分でもある)
(でも、そこまで頑張ったならもうちょっと頑張ろうよ!という部分もある。燕尾服着てて職業庭師はないだろう!燕尾脱いでタイも外してベスト姿にキャスケット被るにすれば「お屋敷服」から外れないで何となく庭師だって分かるから!とか。お嬢様の脳内補填力とか想像力をあてにしちゃいけないよ。視覚に訴えるのは大切だよ)
ただ……伏線をそれなりに引いて広げた風呂敷もちゃんとたたんでの脚本で、舞台としての出来がそこそこいいだけに、観劇慣れしていないお屋敷お嬢様方はちょーっとついていけないんじゃないかなー(苦笑)
しかも、執事歌劇団の売り物・Tactの面々の役どころは全然オイシくないし。
舞台としての出来は悪くないんだけど、商法間違ってるなー感は否めませんでした…。
舞台としての出来はそれなりによかったから、チケット代の元は取れたなと思ったけどね〜(笑)