FAME ; 6回目<千秋楽・その2>

総評。正直言って、ここまで“退屈しない”舞台だとは思いませんでした…。
モブ好きにはオイシすぎる(笑・そこかよ!)。渡来物は物語的に片手落ちな
ところが多くて消化不良になるから避けて通る方なんだけど、物語にツッコミ
したいところは多々あったけどモブ好き癖で乗り切っちゃったもんね(笑)。
両親の離婚がキッカケで人と深く付き合うのが恐くなっていたニックも。
カルメンの心からの賞賛で自分の才能を知ることができたシュロモも。
障害から逃げず、向き合い戦うことを覚えたタイロンも。
人を楽しませる生き方に将来を見つけたジョーも。
“どうしてそういう未来を選んだのか”という点が舞台上で語られているのは
ニックだけで他の3人は観客が推測して補わなければ分からないことだけれど、
その空白を「こういうことだよね?」と思いながら舞台上に欠片を探すのは結構
楽しかった(笑)。演技が一番揺れたのはシュロモだね。カルメンに歌詞をもらう
シーンで、それまでに彼女という存在を意識してたのかしてなかったのか、見る
度に違ってる(笑)。私は近寄られ触れられてドギマギしてる時のが一番好き。
「え?もしかして俺に気がある…の?」みたいな。ジョーで一番好きなのはN.Y.
に戻ってきたカルメンのシーンの「顔色悪いみたいだけど」って台詞のところ。
カルメンが異常にハイな理由は薬中毒のせいだってことをみんなに気付かせる
台詞。あそこが好き。ジョーってカルメンのことちゃんと見てるんだなぁって。
そんなカルメンをシュロモに託して退場していくところも好き。ジョーの周りに常に
人がたくさんいるのはこういうジョーを知ってるからなんだなって思う。愛すべき
存在だよね。タイロンのようなカリスマ性はないけど、一番学生らしい4年間を
送ったんじゃないかと思うな。…と書き進んで気が付いた。私、ニックとタイロン
ってキャラが安定してたから、見てるけど見てないや。この二人のシーンって
基本的にパートナーの子ばっかり見てる(笑)。愛の差が…(苦笑)。
ホントにね、予想以上に堪能してしまった舞台でした。1万円一歩手前のチケット代
を高いと思わないくらいに楽しんでしまったよ。元は十二分に取りました。ハイ。