ムサシくん危機一髪!

それは、朝6時半を過ぎたばかりの出来事だった。テレビをつけて芸能サプリ待機
しながら朝食をとっていると、隣の部屋から「がさばさどさっ!」という、高いところ
から物が落ちるような音がした。
(ムサシったらまたクローゼットの最上段に登ったのか…)
そう思いながらも“まずは朝食”と放置していたら、何やら切なげな鳴き声が。それが
何度も続くので、「もー!芸能サプリ始まっちゃうじゃん!」とブツブツ言いながら隣室
に見に行った。
が。
ムサシの姿がどこにもない。
ちょっと油断した閉め方をすると、はみ出ているジージャンの袖を使ってクローゼットの
扉の隙間から最上段に登っているのに、そのクローゼットは閉まったままになっている。
はて?
するとまたしても切なげに鳴く声が。声はすれども姿は見えず。
「ムサシ〜?」
呼ぶと声は背後の足元からする。振り向いたそこには、1/3開きでくの字状になって
いるもう一つのクローゼットの扉が。まさかと思って上からその隙間を覗き込んだら…
いましたよムサシがそこに。どうやら布団が出ていて空っぽの中段から最上段にジャンプ
したのはいいが、前足を掛けた衣装袋が体重を支えきれずに一緒に落ちた、というのが
先刻の音と現状の真相らしい。2/3開いている状態の下段部分には衣装ケースと布団
袋が収納してあって、横から手を入れる隙間など全くない。かといって上から腕を伸ばし
ても床上のムサシをすくい上げるのは無理。一通り横からと上から腕を伸ばしてみて、
無理なものは無理、と救出をアッサリ放棄(笑)。朝食に戻る。食べ終わってまだ芸能
サプリには時間があるからリトライ、と隣室に行くと、▽隙間の床上にいたはずのムサシ
は、衣装ケースの横にある隙間にシーツを落として潜り込んでいた。ムサシの体が床に
なければ何とかなるわ!と、邪魔になる衣装袋と落とされたシーツを横から取り出して
クローゼットの扉を完全に開けた。扉さえ全部開けれれば問題は一挙解決なわけで。
かくしてムサシは扉2枚による▽型の小さい空間から無事自力脱出したのであった。
脱兎のごとくとはこのような勢いなんだろうなぁと思うくらいの勢いで飛び出てきた(笑)。
でもこれで何とかなってなかったら、そのままその小さなスペースに置き去りにして出勤
するつもりだったんだから酷い飼い主だよね〜(笑)。